AD

動画情報

投稿者: (3:21)
投稿日時:2021年04月23日

  • 再生数:593回
  • コメント:21
  • マイリスト:10

元動画 動画記事 音声ダウンロード
この動画の情報は2022年05月22日17時57分時点のものです。

タグ



失恋を、した。 あまりにも悲しい恋だった。 もう二度と、こんな思いはしたくないと願うほどに痛い。 胸の痛みは、一生消えないんじゃないかな。 なんとなくだけれど、そう思った。 『見えないもの』とか、『愛』とか、なんとか。 そんなものにすがって生きるのが、馬鹿らしくなった。 私くらいの年頃なら、きっとこの先も恋とか愛とかより取り見取りだろう。 けれど今はそんなものに興味がわかないどころか、ちょっと、嫌気さえもさしてる。 それくらい、好きだった。 あの日、入学式に君と出会ってから、毎日がドキドキして、ふわふわして、ちょっとしたことが幸せだった。 登校するのが楽しみだった。となりの席にならないか、席替えのたびに期待した。学級委員になった君は、とっても魅力的だった。 ――卒業式だから。 だから、告白したんだ。 それなのに、な。 ああ、痛い。「痛いよ……」 ずきずきと心が痛む。 『見えないもの』に価値があるなんて言った人は、何を思ってそんなことを言ったんだろう。 ないものなんて、『ない』って言ってしまった方が楽じゃないか。 恋心なんていう見えない、なんだかよくわからないものだって、『ないもの』にしてしまえばよかったんだ。 だったら、きっと。 こんな思いをしなくてすんだ。 もうそんなものに価値なんてつけたくない。 胸が痛む、だけ、だから。 ~♪ 携帯電話が震えて、着信音が鳴る。 メッセージアプリを開いてみると、それは私の失恋相手からだった。「今、ちょっとだけ時間いい?」 私は返信に困った。 既読をつけてしまった以上、無視することはできない。少なくとも、したくない。 なんとなくでいいんだ。 私が思うだけの言葉を、書き込めばいい。「大丈夫。どうしたの?」「いや、酷いことしちゃったな、って思って」「やだ、そんなこと思ってたの?」「だって、俺、女の子フッちゃうとか初めてだったし」「そう、だったんだ」「そうだよ。そんな酷いこと、したくないもん。だから、謝りたいって思って」「なんで? 何も悪いことしていないよ」「嫌だ。謝らせて」「ダメ!」 そこまで打って、私は携帯を放り投げた。 これ以上、傷を広げたくなかったから。 次の日、私は家族の前でにこにこと笑って過ごした。 ちくり、ちくり、と胸は痛むけれど。 君はそんなこと知らないままでいるんだろうな、と思うと、その度に絶望が襲ってきた。 お風呂に入っても、ベッドに入っても、君のことを思う気持ちが消えない。もう、傷つきたくはないのに。 恐る恐る、携帯のメッセージアプリを開く。 どうしても――君を思う気持ちが消えなかったから。 そうしたら、君との部屋に未読の文字がついていて、やっぱり怖くなった。 けれど、『ないもの』にするのが嫌だった。 そっと開いてみる。「お前のこと、嫌いだなんて嘘なんだ。あのとき……みんな、俺のこと見張っていて。好きだって言ったら馬鹿にされると思って、言えなかった。裏切ったって、思われるのが怖かった。本当にごめん。許して、なんて言えないし、言いたくない。でも、俺も」 そこで、一行区切ってあった。 数分、時間をおいて。「俺も、好きだよ」 と、書かれていた。 私の瞳から、涙があふれた。どうしてかはわからないけれど、ぼろぼろと、まるで子供のように泣いてしまった。 そうなんだ。私は、ただ、君のとなりにいることだけが望みだったんだ。 傷つきたくはないけれど、それでも、君のとなりにいるのが幸せだったんだ。 それなら、伝えなくちゃ。「私もね、好きだよ。君のこと」 見えないふりなんて、していちゃいけない。 君のこと、ずっと見ていたから。 それでも見えないものはたくさんあるけれど。 そんなものに価値があるって、どこかのエライ人は言っていたじゃない。「君が、好きなんだ」 ぼろぼろ、涙が零れる。 あんまりにも涙が零れるから、最後には画面がうまく見えなくなった。 でも、どうしても言いたかったから。 無理やり打った。――あいしてる。Produce 残響レコードボカロ制作部 https://twitter.com/zankyovocaloDirection とわいらいとLyric 金森璋 https://twitter.com/akillernovelsIllustration & Movie ひなかわ https://twitter.com/hinakawasann

関連動画

タグ ボカロオリジナル曲 がついた人気の動画
  • 「黒塗りの傘」feat. 滲音かこい【残響レコードボカロ制作部】

    「黒塗りの傘」feat. 滲音かこい【残響レコードボカロ制作部】

    週末の起抜け、読切り。「最悪の」「不慮の」事故にまた救われたよ。彼らの業が、戒めが、宗教たらしめる。どうせまた、横切っていく。知らない顔して守られ傷付けてまた守られていく畜生にも守られ生活に脅かされて、、、そう言えば「良い」と思うんだろう。小さな蟲の羽音に結べばいいんだろう。彼らの業が、戒めが、宗教たらしめる。どうせ、また忘れてる。ほら剥がれてき

  • 「キャンディー」feat. 初音ミク【残響レコードボカロ制作部】

    「キャンディー」feat. 初音ミク【残響レコードボカロ制作部】

    何度も繰り返す終わりのない罪と罰両の手に残ったもの冷え切った温もり ゆらめく灯(ともしび)に誘われ飛ぶのは 甘い蜜だけを求める片翼の蝶鬼さんこちらのその手拍子に釣られたのは私愛してしまったが故の切なさに心まで溺れる前に「もう一度だけ」と手を伸ばしてみる後味の悪いキャンディーに孤独を紛らわすように揺れるは心と影艶(なまめ)かしい愛の熱が身体を満たすのさ求

  • 「ひらひら」feat. vflower【残響レコードボカロ制作部】

    「ひらひら」feat. vflower【残響レコードボカロ制作部】

    あなたはいつも まっすぐな瞳で全てを 見ていた怖くなるほどに純粋な黒さを知った何を抱えているの?僕に教えてダメならそんな顔見せるのはやめて黙ったままじゃわからないよそれはどっちなの?答えはひらひら遠く消えて胸の高鳴り 響くほどに静かな夜が僕らを包み込んでいく下手くそな嘘にホッとする裏返した気持ち感じて何かを求めるその姿ずっと見ていたい最初はどうで

  • 「冬の魔法」feat. 初音ミク【残響レコードボカロ制作部】

    「冬の魔法」feat. 初音ミク【残響レコードボカロ制作部】

    にぎやかな店ばかり 誰もが幸せそうだ樹が光に包まれ 君はどこかな腕時計を見ながら 待ち合わせた雪が舞い散る空 心の声を聴いて街は白く染まる ふたり出逢えた夜に幸せになれたかい?見失うことはないよ だってこの手を握ってる来年も同じ日を 過ごせるのかな涙に雪が混じる 君と話していたら辺りは白くなり 僕らが出会えた夜君はいないはずなのになぜ今日は見えたの?これが

  • 「瞼」feat. 初音ミク【残響レコードボカロ制作部】

    「瞼」feat. 初音ミク【残響レコードボカロ制作部】

    去り行き残された現実にピリオドを打ち損ね悪夢と化す次こそは次こそと願いながらもう何年経っているのだろうか焦燥が廻りくるものか否か沈んでく夕陽に背を向け眺めて行く最後に書いた手紙は捨て去ったまだ炎の色は強く燃えつきず闇に消える息も絶えない絶望の淵で雲の隙間に降る雨に打たれ此処で待つ貴女を見て幻想に駆られ続けている待ってて広がる霧は自分の様で喧騒に紛

ニコッターではニコニコ動画の「痛いんだ。」feat. vflower【残響レコードボカロ制作部】の動画を掲載しています。VOCALOIDやボカロオリジナル曲などの関連する動画を始めとしてそのほかにもたくさんのムービーを掲載しています。
もしも期待する動画でなかった場合はYouTubeFC2動画Dailymotionでこの動画を検索してみて下さい。